外国人雇用と各種指針について
こんにちは。行政書士・エテルニア・リーガル・アソシエイツです。
少し前になりますが、厚生労働省から「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」の一部を改正する告示が公表されました。
人手不足が続く中、外国人材を雇用する企業は年々増えています。今後も多くの企業にとって、外国人材は欠かせない存在になっていくでしょう。
今回の改正は、大きく制度が変わるものではありません。しかし、事業主として知っておきたいポイントがいくつかありますので、分かりやすくご紹介します。
厚生労働省のリーフレットはこちらです。
令和8年6月からの主な改正点
6月から追加・明確化された主なポイントは次の3つです。
同一労働同一賃金ガイドラインが適用されることに留意すること
外国人労働者への日本語学習支援等に努めること
在留カード等の確認に「在留カード等読取アプリ」を活用すること
① 同一労働同一賃金への配慮
外国人だからという理由だけで、日本人より不利な待遇にしてよいわけではありません。
正社員とパートタイム・有期雇用労働者との待遇差については、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(いわゆる同一労働同一賃金ガイドライン)」で、どのような待遇差が不合理に当たるのか、その考え方や具体例が示されています。
外国人労働者についても、この考え方を踏まえて適切な雇用管理を行うことが求められます。
② 日本語学習支援
職場では、日本語がうまく伝わらないことが原因で、仕事のミスや思わぬトラブルにつながることがあります。
外国人労働者が日本語能力を高めることはもちろん、日本人従業員も「伝わりやすい日本語」を意識することで、職場全体のコミュニケーションが円滑になり、安全性や生産性の向上にもつながります。
厚生労働省では、無料で利用できる日本語学習支援ツールも紹介していますので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
③ 在留カード等読取アプリの活用
外国人を採用するときには、「この方は日本で働くことができるのか」を確認することが大切です。
その確認に役立つのが、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリ」です。
アプリを利用することで、在留カード等の情報を簡単に確認できます。不法就労を防ぎ、不法就労助長罪のリスクを避けるためにも、積極的に活用したいところです。
令和8年10月からの改正点
10月からは、パートタイム・有期雇用労働者を雇用する際の労働条件明示事項として、
「待遇の相違の内容及びその理由について説明を求めることができる」
旨を明示することが必要となります。
「説明を求めることができる」という権利自体は、今回新しく設けられたものではありません。
今回の改正では、その権利があることを、採用時に交付する労働条件通知書などへ明記することが求められるようになります。
ただし、外国人労働者については、日本語でその一文を記載すればよいというわけではありません。
「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」には、
外国人労働者に待遇の相違の内容及び理由を説明する際には、母国語その他外国人労働者が理解できる方法により説明すること
とされています。
つまり、労働条件通知書に一文を追加するだけでなく、実際に説明する際には、外国人労働者が理解できる言語や方法で説明できるよう準備しておくことも大切です。
一見すると小さな改正に見えるかもしれません。しかし、事業主が待遇差の理由を整理し、労働者へ分かりやすく説明することで、お互いの理解が深まり、不要なトラブルを防ぐことにもつながるでしょう。
最後に
厚生労働省では、「令和8年度 派遣労働者の公正な待遇確保等推進事業」として、『派遣元向け実務に活かす同一労働同一賃金セミナー』を7月下旬から開催します。
参加費は無料ですので、最新の制度や実務対応について学ぶ機会として、参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
詳細はこちらです。
外国人材の活躍の場は、今後ますます広がっていくことが予想されます。それに伴い、企業には適切な雇用管理がこれまで以上に求められます。
今回の改正は、大きな制度変更ではありません。しかし、この機会に採用時の説明や労働条件通知書の内容を見直し、外国人労働者にも分かりやすく説明できる体制を整えてみてはいかがでしょうか。



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